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区間グラフ

\(n\) 個の区間 \(I_j=[l_j,r_j]\) (\(j=1,2,\ldots,n\)) に対して、頂点を各区間
$$V=\{I_j \mid j=1,2,\ldots,n\}$$とし、交わる区間に対して辺を貼った$$E=\left\{\{I_j,I_k\} \in {V \choose 2} \mid I_j \cap I_k \neq \emptyset\right\}$$を区間グラフと呼ぶ。

次の3つが同値。

  1. 区間グラフである
  2. 誘導閉路は長さ 3 で、補グラフが比較可能グラフである
  3. 次の条件を満たす頂点の列 \(v_1, v_2, \ldots, v_n\) が存在する。
    • \(v_i, v_k\) \((i < k)\) が隣接するならば \((i < j < k)\) を満たす \(v_j\) が \(v_i, v_k\) と隣接する。

    言い換えれば、全ての極大クリークを並べた列であって、任意の頂点 \(v\) が連続して現れるものが存在する。このようなクリークの列を、クリーク路という。

証明 :
(i) \(\Rightarrow\) (ii) : 区間グラフは明らかに長さ 4 以上の誘導閉路を持たない。\(R_{\leq} = \{(i, j) \mid u_i < l_j \lor i=j\}\)
とすると、\((V, R_{\leq})\) は半順序である。また、補グラフの向き付けである。従って補グラフは比較可能グラフである。

(iii) \(\Rightarrow\) (i) : \(W_1, W_2, \ldots ,W_k\) がクリーク路とする。クリーク路の定義より、各頂点 \(j\) は連続して現れるから、その左端 \(l_j=\min\{j \mid j \in V(W_k))\) と右端 \(r_j=\max\{j \mid j \in V(W_k))\) により、各頂点 \(j\) に対して区間 \([l_j,r_j]\) を対応付けると、区間グラフになる。

(i) \(\Rightarrow\) (iii) : 各区間の左端の昇順に並べ直すと \(J_1, J_2, \ldots, J_n\) となるとき、\(J_i \cap J_k \neq \emptyset\) \((i < k)\) ならば \(J_i \cap J_j \neq \emptyset\) \((i < j < k)\) なので、(iii) の列 \(v\) の条件を満たす。

(iii) \(\Rightarrow\) (ii) : 長さ 4 以上の誘導閉路 \(C\) があったとする。その中で、長さ 4 の部分パスの頂点 \(a,b,c,d\) を取る。\(b\) を \(C\) において最も \(v\) の先頭に近いものとすると、その隣接頂点 \(a, c\) は \(C\) の中で \(b\) を除いて最も先頭に近い2頂点である。さもなくば、\(b\) を端点とする弦が存在して、誘導部分グラフに反する。\(c\) の方が \(a\) より先に現れたと仮定しても一般性を失わない。すると、\(c,d\) が隣接していることより、\(c\) は \(a\) とも隣接するので、誘導部分グラフに反する。以上より長さ 4 以上の誘導部分グラフは存在しない。\(i < j\) かつ \(v_i,v_j\) が非隣接のとき、\((v_i,v_j)\) に向きづけるとする。\(v_i, v_j\) \((i < j)\) と \(v_j, v_k\) \((j < k)\) が非隣接ならば \(v_i, v_k\) は非隣接なので、推移律が成り立ち、比較可能グラフである。
(ii) \(\Rightarrow\) (iii) : 準備中

Published in データ構造

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